幼なじみとベッドの上。並んで一緒に楽しくプレイステーション。なんつうおいしいシチュエーションでしょうか。正直もう画面なんて俺見てません、ごめん拠点潰せそうにもないから一時停止推薦で、俺はコントローラーを投げ出す。
「あーあああ、なんか、あー」
「なにきもいってかお前停止してんじゃねーよイッコンお前なんだから早くスタートしろ」
「あーもーあー、……高遠、セックスしよう」
「却下しね」
「無理です、っていうか今すんげーセックスしたいからセックスしよう、今すぐしようなあしよう」
「発情期の猫かてめーは。バカなこと言ってねーで死ぬか帰るとかしろよ、むしろいっそしねよ」
と、俺と俺の大好きな高遠くんが延々言い争っている間に、俺は高遠の手からコントローラーを取って投げ捨てて、高遠のセーターをめくって胸の真ん中にあるくぼんだところに舌をはわせた。うって頭の上で声がする。こいつ、ここが弱いんだよなー俺は高遠が大好きだから、そんくらい基礎情報で知ってる。愛しちゃってんだ。だが高遠はそれでも俺の愛を試したいのか、こともあろうに金的を足蹴にして思い切り冷たく睨んできた。ちょ、ちょ、流石に痛いってなんでそーいうことするかなあ!
「高遠お」
「なんだ、しぬか」
「大好き」
「知ってるよ」
「だからセックス」
「しねえって」
「なんでどちてどーしてですか。俺が嫌い?」
「いや、きもい」
「じゃあ嫌いじゃない?」
「嫌いじゃねーけど、きもいからやだ」
「マジで! うんわーちょー嬉しいよーなあセックスしよう愛し合おう」
「勝手に一人で抜いてろよ俺を巻き込むんじゃねえきもい」
高遠は照れてるんだ。こんなくせして、やってる時の高遠はちょーえっろいよ。えっろえろ。いっそどうして、そーいう仕事就いた方がいんじゃねーの? ってくらいにえろい。メガネをはずす仕草も、シャツを脱ぐ動きも、斜めに俺を見下す目もすんごいえろい。いや、これ全部俺の妄想なんだけどね、うん。いつかそーなるといーなーっていう希望的観測? 天体観測みたいな? 明日が僕らをよんだってーってやつだよ、俺らには今しかないわけじゃん、明日になったらもう会えないかもしらんじゃん。だからやることはやれる時にやっといた方がいいと俺は考えるんだ。
「じゃあさ、俺がきもくなければいいの」
「考えてやらんこともねーよ」
「問題ないじゃん! やろう高遠今すぐやろう、大丈夫だおまえんちのおばさんも姉ちゃんもまだ帰ってこねーから」
「なんでお前がうちの家族のタイムスケジュール把握してんだきもいよ」
「高遠!」
「なに」
「大好き」
「知ってるって」
「俺に抱かれんの、やだ?」
「お前が無条件に上ですか」
「高遠になら抱かれてもいいよ俺」
「それはそれでぜってーやだよ」
「じゃあ、お願い、一回でいいから俺とセックスしよう! そんで俺の愛を感じて、俺がどんだけ高遠を愛してるか証明してあげっから。初心者だからちょっち失敗するかもしれんけど、たぶん大丈夫脳内シュミレートは完璧だから今んとこ。そしたら高遠も俺のことを大好きになると思うんだよね、幸せじゃん? 幸せになってみない?」
高遠は「こいつはもう死んでいる」みたいな目をして、大きくチッ!て舌打ちをした。あー高遠、えろいよそーいう顔、本気止めろよー俺勃っちゃうだろ。あっまずいまずい、ちょっ背中蹴んないで高遠さん。
「にやにやすんな変態きもいんだよマジで。てめー後で覚えとけよ」
そう言うと、高遠は俺をベッドから転げ落として(しかも足蹴にして)、高そうなセーターを自分からがばっと脱いだ。そして不遜に笑うとセーターを俺に投げ寄越して、
「俺とセックスしたいんだろ。まずは足でも舐めてもらおーか。あとそれきちんとたため」
と、仰った。
あれ?
なにこれ?
あれ?
なにこの都合のいい展開夢じゃないだろうか高遠えっろおお……どっから夢?
***
セックス言い過ぎなのが遠藤くんで、きもい言い過ぎなのが高遠くんです